【解説/選曲担当のプロデューサー加藤昌史】
昨秋、何気なく聴いていたFMラジオから、いまだかつて聴いたことがないほどの透明感と奥行きを感じる曲が流れてきて、「な・なんだこの曲はっ?!カッコよすぎる!!」と飛び上がりました。即座に電話で問い合わせてわかったのが、スパイラルライフの『ラズベリー・ベル』という曲だということ。こういう出会いは、本当に、数カ月に一度あればいい方なんですよ。年間4公演をやっているキャラメルボックスの選曲をやっている僕にとっては、まさに「生きてて良かった!! 」という瞬間です。そんなわけで当然、アルバム『ファーザー・アロング』は即刻買いに行きました。しかし、普段はそれまでで済んでいたのですが、今回は違いました。
とあるラジオのインタビューで、「最近お気に入りのミュージシャンとかいますか?」と聞かれて、「スパイラルライフというグループです」ときっぱり答えたのです。そしたらなんとその方が、「え?スパイラルだったら来週会いますよ、番組で」と言うのです。当然、「紹介して紹介して!! 」と叫んでしまいました。その後、ポリスターレコードの方々とお会いして、ついに年末、『キャンドルは燃えているか』がたまたま休演日だった日に行われた、中野サンプラザの彼らのライブに足を運んでしまったのです。しかも、その翌日、これまたたまたまその日だけスケジュールが空いていたスパイラルライフのメンバーが、竹芝ニューピアホールに来てくれたのです。
僕は緊張してしまい、何をしゃべったのかあんまり覚えてないんですが、成井が「ブライアン・アダムスは来てくれなかったのに、スパイラルライフは来てくれて、しかも目の前にいる」とわけのわからないことを言っていたのだけは覚えています。
その後、ミーティングをして「レコーディングが迫っているので、新曲を書き下ろす時間はない。だったら、今ある曲と、ニューアルバム用のこれから創る曲で使えるものを使っていこう」ということになりました。そうして最終的に初日に残ったのが上のリストの曲たちです。涙を飲んで使わなかった曲や、「ごめんなさい」とつぶやきながら編集してしまった曲もあります。でも、そういう心残りが、きっといつかまたスパイラルライフといっしょにやってみたいと思いをかきたててくれています。
ちなみに、DJの「エリカ」がかけた「あたしたちの新曲『ゲームオーバー』」は、スパイラルライフの曲をエリカを演じる酒井が歌ったものです。しかも、彼らが本当にレコーディングをするスタジオで、なおかつスパイラルライフのディレクター・篠原さんが立ち会ってくださって、5時間がかりでレコーディングしたのです。ミックスダウンも篠原さんが「他の楽曲に聴き劣りしないように」という僕の無茶な注文を遥かに超えるこだわりでやってくださいました。酒井が歌っているのに、ちゃんと「SPIRAL LIFEサウンド」になっているのは、そのせいです。
そういうわけで、スパイラルライフを知ってた人も知らなかった人も、4月25日発売のシングル『20TH CENTURY FLIGHT』、絶対買ってくださいね。誰がなんと言おうと、この曲は『アローン・アゲイン』のテーマソングなんですから。
〈1994.3.20.Masafumi Katoh〉