| 曲順 | シーンタイトル | 曲名 | ヴァージョン | アルバムタイトル |
| 1 | オープニング | 不思議な先生 | 『休まない翼』REMIX | 桜 |
| 2 | ダンス | 私はアンドロイド | 『銀のしらせ』別アレンジ | Something In The Air |
| 3 | ケンジ先生レミの家へ | 休まない翼 | 『休まない翼』REMIX | 桜 |
| 4 | レミの誕生日 | Happy Birthday,Dear Friend | 書き下ろし(小振農協誕生歌) | |
| 5 | 出会い | 光降る朝 | 光降る朝(10.13.On Sale) | |
| 6 | ケンジ先生の授業 | やまなし | 賢治の幻燈 | |
| 7 | レミと戦う | Riddle Linda | 光降る朝(10.13.On Sale) | |
| 8 | トシコの思い | ひとりぼっちのセロ弾き | 書き下ろし | |
| 9 | つかまったケンジ先生 | やまなし | 賢治の幻燈 | |
| 10 | タカダ古道具店 | 風の転校生 | 書き下ろし | |
| 11 | パパとケンジ先生 | やまなし | 賢治の幻燈 | |
| 12 | 星めぐりのうた | 双子の星 | 『双子の星』 | 光降る朝(10.13.On Sale) |
| 13 | 星の観察 | サザンクロスの彼方まで | 『プロローグ』REMIX | 賢治の幻燈 |
| 14 | タクシーで逃げる!! | グスコーブドリの伝説 | 賢治の幻燈 | |
| 15 | パパは最強 | とぎれとぎれのSILENT NIGHT | 遠い音楽 | |
| 16 | トシコにも見えた | サザンクロスの彼方まで | 『エピローグ』REMIX | 賢治の幻燈 |
| 17 | ママの気持ち | サザンクロスの彼方まで | 『エピローグ』REMIX | 賢治の幻燈 |
| 18 | おばあちゃんと先生 | 光降る朝 | 光降る朝(10.13.On Sale) | |
| 19 | みんなの先生 | 不思議な先生 | 『休まない翼』REMIX | 桜 |
その結果、このケンジ先生に決まったわけですが、今年は宮沢賢治さんの生誕百周年ということで、本当に賢治さんが好きな僕たちは、あまのじゃくなので最後の最後まで「今年、賢治さんのお話をやったらブームにのろうとしているみたいでヤなかんじだよね」と話していました。が、結局、そういうことはすべておいといて、今のこどもたちに、こういう先生がいたんだよ、ということをお伝えしたくて、このお話をやることにしたというわけです。
成井さんがいろんなプランを話してくれていくに従って、「今回は、ミュージカルでもオペレッタでもないけれど、歌をいっぱい歌いたい」ということになったので、いつもの公演では「音楽を探してくる」のが仕事の僕が、「歌を書いて下さるひと」を探さなきゃならなくなりました。
『音楽を作る』おいうことのためには、時間とお金がいっぱい必要です。でも、この公演はキャラメルボックスにとっても実験的な公演でしたので、お金も時間もほとんどありませんでした。だからちょっと知り合いのアマチュアの人の頼もうかな、などとちょっと弱気になったりもしました。でも、やっぱり「大人でも楽しめる、こどもたちに見てもらえる、キャラメルボックスのお芝居」を作らなきゃいけませんので、ふだんのキャラメルボックス公演より質の劣る音楽を使ってしまっては、こどもたちに失礼ですし、ましてや大人のお客さんはもっと許してくれないでしょう。もう、「本当に僕がすきな、すごいミュージシャン」に頼まないとキャラメルボックスのお芝居、とは言えないな、と思ったのです。
そんなとき、フッと僕の頭の中に降ってきたのが、ZABADAKの吉良知彦さんのメロディだったのです。
ZABADAKの、宮沢賢治さんの作品を題材にした『賢治の幻燈』というアルバムを、僕はこっそり隠していて、いつかこの人と一緒にお仕事をしたい、と思っていたのを、急に思い出したのです(『レインディア・エクスプレス』というお芝居で、一曲だけ使わせていただいたことはありましたが)。
そして、春の公演を吉良さんに見に来ていただいた頃から、ケンジ先生の準備は始まりました。
なにしろ時間がない。じゃあ、どうしよう。そこで、過去の、そして今度発売される吉良さんのアルバムの曲を、『ケンジ先生』用に直していこう、ということになりました。それでも、どうしても書いていただかなければならない曲が出てきたのでお願いすると、「うん、三曲だけならなんとかなるかもしれない」とおっしゃってくださいました。
九月発売のニューアルバム録音、十月発売の未発表曲を集めたアルバムの録音、ライブのリハーサル、そしてウチの『風を継ぐ者』のための曲のREMIX、と、ものすごいお忙しい合間を縫って吉良さんをはじめ、バイオスフィアレコードのみなさんが全力でこのお芝居に間に合うように、そして「ZABADAKのクォリティ」をばっちり追求して、音楽を作って下さいました。
今回の、成井豊の脚本にGEN'S WORKSHOPの加藤タカさんの舞台美術という「色」を、もっともと深い色にして下さったZABADAKの吉良さん。長野で畑仕事をしたり、マレーシアで昆虫採集したりするのが趣味、という素敵な方です。そうなんです、この夏、僕は吉良さんから「虫採り」の時間をレコーディングで奪ってしまったのです……。
皆さん、是非、せめてもの罪滅ぼしに(?!)、『賢治の幻燈』そして九月と十月に発売されるニューアルバムを、是非”買って”聴いて下さい!!『ケンジ先生』のワンシーンワンシーンが、くっきりと思い出していただけることまちがいなしですからねっ!!
ちなみに、九月に新宿にシアター亜ぷる出上演するキャラメルボックスのサマーツアー『風を継ぐ者』の音楽も、ZABADAKの音楽です。『風を継ぐ者』って新撰組が主人公の、時代劇、なんですよっ!!それなのに、ZABADAK。「こんなにふんわりした音楽が時代劇にあうのか?!」と思われたあなた。……(ニヤリ)お楽しみに。
[1996.8.23 Masafumi Katoh]